works家 々
第2回埼玉建築文化賞 事務所部門 優秀賞受賞
築300年 長屋門改修工事
nagayamon renovation work300年程前に建てられた越生町法恩寺さんの長屋門の改修工事。
改修前は車庫や外物置として使われていましたが、改修計画では事務所機能をもたせることになりました。
内部の壁や構造、屋根が傷んでいたため、使用できる材料と交換しなければならない材料の選定をし、傷みのない既存の梁は、豪快で素晴らしいものでしたので、綺麗に磨き仕上げ、現しの梁とし新旧の融合を図りました。
事務所の一部を吹抜けとし、見上げるとロフトの磨き仕上げた既存梁が見えることで、訪れた方々に300 年の歴史を感じてもらえるような空間構成としています。
そのほか長い歴史をもつ長屋門の持っている雰囲気に呼応することを意図し、千本格子の建具や間接照明等を取り入れ、陰影のある趣を感じられる空間となるよう努めました。
また、元々あった北側の坪庭を室内からも鑑賞できるよう、開口部を新設するとともに、気分に応じて開口の調整ができる猫間障子をデザインし、外のよい景色をよき塩梅で取り入れることで、心地よさを感じられます。
梅林が有名な越生町にちなんで梅をデザインした建具の把手もこの地ならではの世界観に寄与しています。
これから先も長い年月、越生町の風景として佇み、この地を見守り、たくさんの方々に愛される町の大切な建造物であってほしいと思います。
- 所在地
- 埼玉県入間郡越生町
外観:屋根を葺き直し、開口部を取り替え、外壁の一部を板張りにし既存の漆喰壁と調和を図りました。
車庫になっていたところを事務所空間に。
天井の一部を吹抜とし、ロフトの磨き仕上げた既存梁を見上げる。
小屋裏の既存梁を磨き仕上げ、現しにして現代のロフト空間に。